紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


蟹の歌を聴け

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上海蟹の歌、何度も繰り返してみてしまうしときに涙ぐみそうにもなり、なんなんだろうって思ってしまう。MVがよいのも五割あると思う。割り切れない感じで何回もみてしまう。

女の子がどこかに行こうとしている。どうやら宇宙なのか、球体に乗って上方向へ飛んでいく。なぜかそこにはくるりのメンバーもいて、同じように球体の中にいて上へ飛んでいく(歌っている)。それで、宇宙行きのメンバー以外は顔に球状のマスクをかぶっているのだが、それはこの球体とそっくりなのだ。空気が悪いのかなとも思うのだけど、なんらかの理由でマスク(または球体)にひびが入れば脱いでしまったりしているから、心の壁みたいなものなのかなと思ったりする。壁が傷つくと身構えてしまうけれど、見えなかったものが見えてきたりする。女の子はそのひび割れから岸田繁を見つけるし、男の子と犬はマスクを脱いでお互いの顔を見ることができた。

はじまりは夜、夜の街で女の子(とくるりのメンバー)は上方向へ移動し、男の子と犬は横方向に移動する。その途中で朝(なんだと思う)になり、ひび割れの隙間から見える太陽はハート形だ。女の子の球体のひびわれはハートが半分に割れた形で、それを通すことによっていろいろが半分のハートとして表現される。傷ついた心は半分で、それを何度も暗示することで、他者とハートを持ち寄る必要性が示されているのかなとか思ったりする。

その後は海水浴している(?)女性が水着なのに頭はマスク(やっぱり半分のハートに傷ついている)で不穏とか、小籠包のおじさんの唐突さとかいろいろあって(顔出してるし出ばなからファンキーなのだ)、でもこのおじさんも最初はマスクをかぶっていたんだろうなと想像する。

みんなマスクをかぶっている、でもそれは非常に傷つきやすいし、じつは傷ついても死んでしまうほど致命的ではない。そのゆがんだ(というと悪意があるか)視界をみんなもっていて、隙間から世界をみている。それを捨て去ってしまえば視野は広くなるし、冷たい空気は吸えるし、どこにでも行けるのかなとか思う。

そうこうしているうちに朝になり、移動していた両者はふたたび出合う。すれ違いつづけるかもしれないけど、また出会えるんだった。半欠けではないハートの太陽がみられるのかもしれない。みたいなことを考えている。