2016年の映画と音楽と漫画
映画、まあまあ観た。ので簡単におさらいする。
『DOGLEGS』
感想も書いてはみたのだけど。人間って平等だけどそれは境遇や能力が公平なわけではなくて、乗り越えられる壁乗り越えられない差異が厳然とあるんだということを思う。今さらではあるのだけど。同一化やら平均化だけが道ではないことを考える。答えが出るのは多分もう少し時間がかかるし、その頃にはみんな別の議論をしてるんだろうし。
『ドッグレッグス』の感想とか - learn to forget
『ショートターム12』
想像よりウェットじゃなくてクールだった(気がする)。最初のシーンと最後のシーンをだぶらせて皆の成長を思う。どうしようもない悲しみを抱えて生きてくしかない。
『アーロと少年』
いつものやつだけど、恐竜が知能を持ったとして人間の行動様式になぞらえた文化を持つかという気はする。まあでもそしたらあれはなにかのメタファ。プテラノドンのやつら(だっけ)がくるってたやば!!! ってなった。草食恐竜が畑をつくり、肉食恐竜が牧場をつくってたの笑った。舘ひろし(だっけか)はかっこいいオトナぶってたけど、ヤのやつじゃんって思った。
『リップヴァンウィンクルの花嫁』
え、黒木華。黒木華かわいい。かわいいのかな? かわいい!! え、Cocco? こっこ!?!!? 綾野剛?!?!?! 脱ぐ!?!?!? みたいな感じだった。脱いだとこめっちゃ笑ったんだけどどうですか。岩井俊二の手法がずっと変わってないのではと思った(泣きそうな女優を映しながらクラシックが厳かに流れる)。結婚のこと全然知らなかったから勉強になった。
『ズートピア』
ズートピアって「市民」であることが住民として前提であって、それには「宣言」が必要でめちゃめちゃ近代的じゃんって思ったんだけど。なんていうか「市民」であることを「宣言」した者たちの社会というか。たぶんそれがそれまでは男性とか力のあるもの達(肉食動物)の社会で、そこにマイノリティを入れていかなくてはっていう思想があるのかなと思ったりしたのだけど。その中に小動物たちの街があり、ヨギーたちがいたり、ギャングたちがいて多様性があるように見せつつ、主人公のウサギには地元(田舎)があって、対比がよくわからなくなってしまった。「ズートピア」ってつくられた都市なんだよね。だからそこにいる以上、住民は全員共犯というかうーん。ウサギがとる手法もその社会に順応していくということでは、とか思ってしまった。だから全体的には文句がすごいんだけど、ウサギががんばっていく姿はえらいえらいと思って泣きそうになってしまう。
『シュガーラッシュ』
最初つらかったんだけど、途中からどんどんよかったねよかったね感が増していった。オチ全然わからなかった。よかった。
『ひそひそ星』
園子温というには静かすぎる。奥さんのこと好きなんだなーと思ってしまった。エンケン出てます! エンケン!! 生きて!!
『園子温という生きもの』
監督は園子温ではない。うん、まあ、うん、ね。って感じだった。園子温マニアは観たらいいです。はちゃめちゃなところがみられる。
『第9地区』
ブロムカンプ好きな人がいて勧められたのであった。舞台は南アフリカで(監督も南アフリカの人)、南アフリカの治安よ! って本当に思った。残酷なの苦手なんだけど、この映画の残酷シーンは笑えるので監督は面白い人だなって思った。シリアスなのになんか笑ってしまってすごい。
これも同じ人に勧められて。善良な映画という感じでした。プロットの妙って感じ。
『チャッピー』
これもブロムカンプ。『第9地区』よりギャグに振り切れているというか。やっぱり南アフリカが舞台で治安よ! ってまた思った。ダイ・アントワードよかった。ヨーランディの母性……。最後のオチはまた笑ったけれど。ほんとうにそれが幸せなんだろうか? 人間でなくなってしまうことというSF的課題を越えてくるのに躊躇がほとんどなくてびっくりする。
『FAKE』
佐村河内守さんと豆乳と猫。森達也さんのことはじめてちゃんと知ったけど、すごい人だと思った。ドキュメンタリーの中でも本当に中に入り込んで登場人物になってしまっていた。いるよねーこういう研究者。参加するフィールドワーカーだった。佐村河内守さんの音楽的才能については真偽はやっぱりわからないんだけど、映画を観て、素直に観たら、それは本物だと感じるようにはなっている。わたしはもうそれが真実でいいという立場になった。ただ、この映画があつかいたいのはそこではなくて、めちゃくちゃに持ち上げて、そして突き落としたメディアの態度であって、佐村河内さん(達)はそこを戦っていきたいのに、顔のない集団はのらりくらりと身体をふって、逃げていくのであった。
『あなた、その川を渡らないで』
あ、絶対に泣かしてくるやつじゃんっていうやつで、わたしはそういうときに泣いていいのか、その手に乗るもんかって反発したい気持ちにもなってどうしたらいいかわからなくなる。韓国の田舎のくらし、ああなんだっていうのはなんか思った。
『シン・ゴジラ』
『キングオブプリズム』
『星から落ちてきた男』
『HiGH&LOW THE MOVIE』
EXILE側とインターネット民側が双方で盛り上がった変な映画。気にいった人がいて、お、わたしもついにEXILEで好きな人が! と思ってあとで調べたら窪田正孝さんだったのでなんなのってなった。EXILE以外に俳優をたくさん使っていて偉いといえばえらいし保険といえば保険だ。とにかくお金を使って、かっこいいシーンをやりたかったんだろうという結論になった。皮肉っぽい言い方になってしまうけど、好意的ではあるんだよ。EXILEというだけで拒否反応を示していた層がオモシロでも興味を持ったことによって、EXILEのさらなる発展に寄与するんではないかね。あと、「映画ではない」という結論にもなっていて、なんだったんでしょうね。。正直観てほしいですが、なにも保証はできません。すごい乱暴な言い方になってしまうんだけど、こういう解像度で世界が見えている人たちがいるのでは、とか思ってしまった。不遜だけど。
『グッバイ,サマー』
ミシェル・ゴンドリーのスタンドバイミー。あとにぽわっという感覚が残るのみでどうとかいいづらい。嫌いではないんだけどむずかしい。
『となりのトトロ』
『紅の豚』
『猫の恩返し』
テレビを買ったので、金ローのジブリ特集を観た。ジブリおもしろーってなった。
『猫の恩返し』初見だったんだけど、ちょういいじゃんいいじゃん。袴田吉彦。
『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』
『6歳のボクが、大人になるまで。』のリンクレイター監督の真骨頂のアホ映画だー!! しょーもないの連続なんだけど、ラスト前に静謐なシーンがあったりして緩急がいいし、慣れてる感じがする。2016年に大学入る直前の男子野球部のめちゃめちゃ映画出すのなんなんだろうという気はする。文脈から切り離されすぎているというか。一日ごとにいろんなクラブで飲酒して踊るのでいろんな音楽が聴ける。
『エヴォリューション』
またしても形容しがたい映画を観て、これが2016年最後になってしまった。語りが少ないので、がんばって画面を観てあれかこれかと想像しないといけない。意味不明だしグロデスクだし。しかし帰ってきてから、面白かったのでは……という気持ちが盛り上がってくる。映像は綺麗。怖さを感じさせる綺麗さなんだけど。もしかしたら何らかの文脈を経てないと半分もわからないのかも。SFとか幻想文学らへんかな、、そこを通ってきた人の感想をききたい。併映の同監督の作品を観て、こういうのが好きなんかなとヒントにはなった。最後の最後で怪作。
★
音楽。実情をいえば、ラップを一番きいてたし買ったし借りたと思う。「日本語ラップ好き」という人々を苦々しく思っていたのだけど、自分もそこへという感じ。でもやっぱりヒップホップ的マインドを内面化することはできないと思う。スチャダラパーみたいな言葉遊びのラップがしっくりくる。めっちゃきいてたアーティスト、わたしは好きだけどメインストリームにはなり得ないだろうなとか思いながらきいている。
忘れちゃいけなかった坂本慎太郎。
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これはカバーなんだけど、MVのアニメを坂本慎太郎がつくってる。めちゃめちゃよいから観てほしい。アルバムをざっと聴いてるとはじめは「鬼退治」に反応する(同居人はそうだった)。ずっときいてると、ディスコってが一番好きになった。この曲に限らず全体的になにもいってないのではという感じがするのだけど、ちかごろのわたしはその、なにもいっていない(当たり前のことだけをいう)ということにやられている。
★
漫画も新規発掘ほぼなかったのですが、原田ちあきさんの挙動不審日記が好きなので書いておく。
原田ちあきの挙動不審日記 原田ちあき - つぶやきGANMA!
ネットで読めるのだけど好きなので買った。
たぶん有名なんだけど、『パペラキュウ』が面白かったので書いておく。最初はふーんくらいだったのにどんどん面白くなってくる。山本直樹とか好きな人なら好きなのではという感じ。
以上、さようなら2016年(は2017年に続いていく)。