紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


明るい永遠

Mから急に呼び出しがあって、同居人は遅くなるから夕食をつくらなくていい日で奇跡だと思って夕方から会った。帰省のお土産を渡された。

コミュニティバスは曲がりくねって駅の両側をつなぎ、大きい道と住宅街をとおり、大きな公園の前でわれわれ以外が降りた。どう考えても歩いた方が早かったが、急いでいなかったからのんびり乗っていた。バス停が1から30まであって30の次は1というように循環しているようで、だとすると3から28くらいの感じでずっと座っていた。小さな公民館みたいなものの前を通ったりして観光みたいで楽しんだ。

バスを降りてすぐ、目についたお店に入ってしまう。われわれははらぺこだった。ぐうぐう。店を出るとまだ明るかった。この店はインスタ映えの店なんだよと教えてもらう。

ゆっくり坂を上っていき、Mは昔の職場がやっぱりこのへんで、という話をした。あのカフェが、蕎麦屋が、雑貨屋がと話は尽きない。大きな本屋に入り、うろつく。本屋らしくない本屋で、何時間でもいられてしまう。外に出るとさすがに暗く、夜になってしまっていた。日が長くなっていて感覚がくるう。ふだんだったら家にいて食事をつくっている時間でもあるのに。

いつからか夜とは疎遠になっていて、家でのんびりする時間、翌日の準備をする時間になっていたけれど、こうしてみると夜はとても近しい。飲食店もセレクトショップも光っていて、夜遊びを迎えてくれる。平常の安息はこれらに背を向けて得られている。

空気もあたたかく入り口やテラスを開放しているお店。外で食事をするのもよさそうだった。このままずっと歩いていられそうだった。明るい永遠。一年中こんな気候で夏は少しだけ暑くなって、冬は少しだけ寒くなったらいいのに。

地元の駅に着いたら21時になるところで、あわててドラッグストアに駆け込んで勧められた化粧品を探す。迷ってるうちに時間がきて、お店はしまってしまう。夜だから当たり前なのに少し不服だ。それから家の近くのドラッグストアにだめもとで行ったら見つかって、22時前。こんな遅くまでご苦労様だった。