紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


古本を売る春

いらない何も 捨ててしまおう

なんてB'zの歌(LOVE PHANTOM)ではないけれど、捨てちゃった方が楽なんだよね。とか玄関に積んだ本を見ながら思ったりしながら、どうにか紙袋に詰めて古本屋に持っていった。お金が惜しいわけではなくて、やはり本をゴミとしてあつかうのは抵抗がある。捨てられないのは執着だけど、執着がなければ生きてる意味がないじゃない、みたいなことを知ったような顔で。

ネットの業者に買取を頼もうと思っていた段ボールもばりばり開けて、引き取りにきてもらおうと積みはじめると、欲が出て、もうちょっとあれもこれも片づけてからにしよう、ってなっちゃうので自転車のカゴに積める分のみにして近場の古本屋さんに持っていく。行きつけの本屋がなくなった代わりに古本屋めぐりが増えたって何度か書いてはいるけれど、好きな古書店もこっそりカテゴリ分けていて、サブカルぎみのとことアート系のとこと文芸よりのところ、と本棚を想像して、持っていく本も選別してみた。あの本棚にはこの本だ!

お店に入ってレジカウンターに行って、カイトリオネガイシマスと告げる。少々お待ちくださいと言われて店内をぶらぶらする。今日もいい本が並んでてくーしびれる、って思う。本を売る前は緊張して、文章を手ばなす不届きものと思われそうな気がして、どきどきしていた。ラジオがかかっていて、男性と女性がのんびりとしゃべっている。少ししてから呼ばれる。金額を確認して、思ったよりずっと高くてあわてる。エ、イインデスカ、もちろん不服はなく紙幣を1枚うけとる。このお金でまた何か買おうかなとか思ったりして。

よく考えたら今までの人生でブックオフにしか本を売りに行ったことない気がしてきて、そもそも田舎にはブックオフ以外の古本屋はないし(目立たない)、あ、先日ネットの買取業者は使ったけれど、想定してたより全然高い。ブックオフはグラム数で値段を決めているなんて悪口を言っている人がいたけれど、たぶんまったく違う計算式で金額を出しているのではないかと思った。あーなんかブックオフやネット買取より好きな古書店に行った方がいいな、と思った。次行ったときに自分の売った本が並んでるかもしれないし。わくわくするね。

それで蛇足があって、好きな古書店に売るのは気が引けた書籍を何冊かブックオフに持っていって、それは100円プラス消費税くらいになってて、やっぱりなーーーってなった。でも意外と買ってくれるんだなあという気もした。各界得手不得手あるし、似合う本屋に似合う本を持っていくという遊びな感じでやったら楽しいかなって思ったのだった。