紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


マトリョーシカは

不思議だ。

筋肉痛はだんだん下に降りていく。腿から下って、膝上とふくらはぎに今います。階段のたびにイタタとうめく。足が動かない、というか曲がらないのに驚く。平地は膝を曲げないでもなんとか歩けるのだ。階段が嫌すぎてスロープを遠回りしたりエレベーターを使ったりしてしまう。登りはともかく下るのが俄然きびしい。

それでもこの電車に乗りたいと思えば足は動くのだから気の持ちようだぜという感じもある。いやはや。痛(つう)といえどこの筋肉のかたまりはごわごわは何であろう。固体がのしかかっている少し酸っぱいような感じがある。酢豚のパイナップルを想像してしまう。今回はなっていないのだけど、最上級の筋肉痛はそこが棒と化す。自分でありながら自分でない外側からも内側からも何も受け付けない。ただただ麻痺した部品を無理やりひきずっているのであった。そうした箇所を抱えて動いているとほかの部分にかかる負荷がそこを変容させていく。痛みが移動するのとは別に玉突き事故のように少しずつずれていくネジだ。その期間は自分が違う人形になったようで妙な気分である。各所が自分でないようなねじられているマトリョーシカは。