紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


新しいRPGのご提案

たいていのRPGは何もないところからはじまる。たとえばこんぼうとかぬののふくとか。そこに攻撃力とか防御力とか役にたつものをたしていく。でも日常は、というかたぶん、目のあいた、なんていうと伝わらんよな、自分が自分であるという意識を持てたときには(これも伝わらなそうな比喩だ)、もうかなりたくさんのものを持って(与えられて)いるんじゃないだろうか。大体が親だったり、または目のあいていないころの自分自身がすでに隙間をうめてしまっているのだ。それで、せっかく目があいたのに、持っているものでやっていこうとするとひずみがでる。それはそうだ。だって、本当の本当に絶対の絶対に必要なもの以外のものをたくさん持っているから。そしてそれらはガラクタの顔をしていない。キラキラしているし機能的で役にたつし思い出もたくさんつまっていたりするのだ。悪いものにはみえない。でも、もしかしたら、ちょっとだけ、居心地が悪いのだ。それも自分の居心地が。それらの中から自分の落ち着くものだけを残しましょう、というのが最近のわたしのこんまり(メソッド)への理解なのだけど(だいぶ飛躍しています)。

というわけで、はじめから最強の武器や防具を持ちまくっているRPGというものを考えました(夢想です)。めちゃめちゃ強かったり便利なアイテムをたくさん持っている、ダンジョンの宝箱も外れなし、でもアイテム欄があいてないのです。あずけ屋さんもいっぱいです。そうしたら、わたしたち(主人公)に残された道は、「捨てる(選ぶ)」しかないのではないでしょうか……っていうインディーゲームをつくって、金属バットのふたりにプレイしてもらいたい今日この頃です。

物捨てついでにもうひとつ。手ばなす服の中からまだなんとかなりそうなものを少しだけ見つけて、それを古着屋の買取に持っていったんですけど、古着屋さん(質屋の気配のある古着屋?)にいくと、自分が呼ばれてない気がして、寄る辺なくとまどってしまう。買う目的じゃなくて査定を待っているから思うのかもしれないけれど。これらのブランド・ハイブランドと縁のない生活をしている引け目、自分のもってきたなけなしの有象無象の衣類など、この店の「ブランド」リストには入っていないんじゃないかというおそれ。特に買うつもりもないのだけど、とりあえずパーティに呼ばれたときのためという設定でワンピースをながめたりする。そんなのは杞憂で、なけなしのわたしの衣類はブランドリストの末端には載っていたらしく、二束三文で数点を売却、免許証の確認は適当、ありがとうございましたーの声で店を出る。ハイブランド、最近興味が出てきたのだけど、この二次市場にたどりつくまでの熱情を傾けられるとも思えないのであったよ。前前前世から貴族でもないとそこにはいけないんじゃないのかな。