紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


かるがると

最近日記からも遠ざかっている。

 

職場の試験を受けた。小論文の課題は事前に教えてくれていて、1時間で1200字。勉強する気持ちが全然出なくて前日さえもだらだらしてしまった。一緒に受けた同僚は練習をどれだけやったとか、一度パソコンで打ってみたとか騒いでいて、「テスト前に『勉強した!』って報告するタイプだったんだろう」と過去を推測されていた。試験がはじまったとたん、「でも一回くらいは時間はかってやっておけばよかったな」とよぎった。そのまじめさが求められているのだろうか。それが求められていると推測するも、そこに背を向けてしまう自分がいた。自分の芯にはナマケモノ、またはヘソマガリなわたしがいて、意識として「社会的に求められている(とわたしが思い込んでいる)姿」がその上部にある。それは自分ではないけれど、こうあらねばと思って、思って、過剰適応をしているような気がする。最近はその気もだいぶ抜けた気がするのだけど。まあでも、準備なく望むのは(前者の)自分にとってもよくないと最近は思えてきているから、やるべきことはやる頭に切り替えていきたい。でも過剰適応はしないように……。

1時間1200字は時間いっぱいつかってなんとか書けて、それはブログ書いてるからかもなと思った。自分の文章を書くスピードがどのくらいか把握できているのは安心できる(からこその怠けにつながったともいえるかも)。論理的っぽく見せるための接続詞も得意だ。といっても、キーボードでなく実際にシャープペンでマス目を埋めるのは想像以上に大変だった。フィジカル。キイワードのいくつかは調べておいて、その説明をする。そこから、その場で思いついたことを書いた。自分でも思っていなかったことが紡ぎだされて、わたしはそんなことを考えていたんだ、というかこの材料からこう書けるんだという発見の気持ちの方が強かったかも。試験なのに「書くこと」を楽しめてしまった。でも、やっぱり、「試験」としてはよくないんだろうか、とか考えてしまう。でも、事前に考えたことをぎちぎちに書いて、それを読んで、楽しいかな? いやでも「試験」だからね、、と自分の中で押し問答する。最前の同僚は「書いて数えてみたら900字しかなくて、段落いっこ抜けてたんだよー」って言ってて(リカバリできたんだろうか)、ほら、やっぱ、ちゃんとその場で生きた文章を書いた方がいいんだよ、とか思ってみたり。いやしかし! 自分の実力に合った方法で書いた方法がいいよ。書きましょう。そうしましょう。って今思った。どっちがすぐれているとかではない。のだ。

 

前項が長くなってしまった。それから、ライブにいって、浸って漂った。その駅の南口にはよい古本屋があって、23時ごろ、明日もあるけどなんだか帰りたくなくて寄る。と、その日見たパフォーマンスの人の本が置いてあって、しかも絶版のやつ! ウウウ運命ジャン、って思ってしばらく立ちすくんだけど、ここで気分の高揚のままに買うのはな、家に積読どんだけあるんだと思ってそのまま店をでてしまった。でもそのことをずっと考えている。

その本を見つけてただ買うのは消費だ。でも、ライブを見た日に演者の絶版の本を見つけて買うのは物語だ、と思った。わたしは物語にのれなかった。と思ったが、物語にのれなかった、のも物語だ、と翌日あらためて思った。本が出た当初に買うぞ買うぞ買うぞと決めて発売日に買うのも物語である。物語と消費は相反するものではない。しかし一部の消費に対して、「買いたいから買う」が先行していると感じる。自分の中で心地の良い場所がいくつかあって、それらをチェックポイントのように回りたい気持ちがある。しかし、それは全体だ。今日はここ、という選択がない。考えているとわからなくなって、選ばないことも選択だ、みたいになって外出をあきらめてしまう。たいていのものことは行ったら楽しいし、あったら嬉しくて、モノやらサーヴィスやらのすばらしさなんだけど、自分で選択し決定し物語的でありたいとか考えている。そうしないと身(と金)が持たない。

 

結婚願望はなく、かといって完全反対派というわけではなく、急にひらめいて籍を入れたりしそうな危うさがあり(そのときに相手がいればですが)、とはいえ流される時間に甘んじている。結婚は制度で、結婚していない状態にもさまざまな種類があるということ、を語ることをおそれていたと思う。へんなこといって、恋人に嫌われたらいやだからね。しかし、結婚したら離婚ができる、ということに気がついてしまった。世の人はいう、離婚はしない方がいい、と。そこで結婚の出口がふさがれていることも問題なんじゃないか、と思ってしまった。フランクに結婚して、離婚もフランクにしたらいいんじゃないか、という気持ちになった(もちろん、婚姻関係が継続しててもいい。さいこう!)。なってしまった。という覚え書き。かるがるといよう。