紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


ひとりでねむる

同居人が急に実家に帰ると言い出して、なんかセンチメンタルになってしまって少し駄々をこねた。

来週あたり帰るかもって言ってたのがあしたの夜帰る、だったし。かれは行動力があるようでなく、ないようで、ある。

見送りは乗換の駅まで行く案もあったけどたいがい遅いしそれまで騒ぎすぎて少し面倒になっていたけど、なんとか服を着て最寄の駅までついていった。雨が降ったりやんだりしていたから、ふたりとも大きい傘を持って、帰るときにわたしが回収することにした。傘を持っていくか迷っていて、この折りたたみは袋がないんだよなーとか言ってて、でもビニール傘はいつのまにか無くしてるから(時にわたしのまでも!)、選択肢はそれしかないのだった(旅路だし)。黒の折りたたみは靴箱の上に戻された。

実家には誰かいるがこちらでわたしはひとり、と思ったけど親と一緒に寝るわけもなし、実家にいたって(もしかしたらその方が)圧倒的に "個" だ。一緒に食事をとって、一緒にテレビをみて笑っていても寝るときはひとりだ。並んで寝てたってやっぱり眠りは個人のものだし、しかしだれかの寝息が隣人を安らかにするときもあるのだ。というわけで、同居人は実家に帰るが、わたしと同じくひとりで寝るんだと思ったらまあいいかってなった。そっちの方がさみしい気もする。


同居人がいるとなかなかできないことがあり、ここぞとばかりに日帰り旅行に行くことにした。

知らない人たちとバスに乗っていてもひとりだし、そういえば少し前にテレビで東出くんが誰とでも仲良くなって旅行に行く約束とかしちゃうって言ってて、どうしたら初対面の人とそこまでなれるのか考えて、われわれネクラ勢には無理ということになった(細かい論理もあるんだけど割愛)。わたしが東出くんだったら車内で知人(友人?)ができてるだろうな。

車窓はまだ始動する前の街が流れて、ここでヒナ氏は働いて、嫌なこととかお腹がキリキリするとか体調悪くなるみたいなこととか、あとやっぱり楽しいことも多分あって、でもわたしはそれを全然知らないなぁと思った。かれがひとりでダムみたいに抱えているのだ。言えよーとか思うけどそんなに簡単ではないんだろうし、所詮一人暮らし×2だし!  あー、やっぱりわれわれはひとり!  ひとりぼっち!!

という感じでわたしは緑の中を運ばれているんですが、同居人が一日早く帰ってくるかもとか言い出して、今日!  知らない!  わたしは遅くなります!  って感じでいます今。