紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


インターネットと眼

はじめてです、はなんか違うよね。自動ドアあいてすぐに目が合って逃げ場がない。初診なのですがといって、保険証を出す。ではこちらを、とバインダーに重ねられた紙を渡される。なまえ、ふりがな、連絡先に既往歴エトセトラエトセトラ、最後に「当院を知ったきっかけは?」、その他に丸して、「インターネット」と書く。通りがかりで眼科にくるか。がたがたの自分の字に落胆しながら書くしかない。

自分の字というもの、なかなか安定しなくて、というかいろんな人の字体の真似などしていたら、わたしいろんな字が書ける、と思ってしまっていたけど、何もないときに書いているがたがたの字、がたぶんわたしの字、なのだった。綺麗な字がわたしの字になればよかったのに。これはなんだか「青い鳥」めいている。大げさ?

昨日、風呂上りに鏡を見ていたら目が赤くなっていることに気づいて同居人を呼んだ。こんなときにはインターネット、なにはなくてもインターネット。痛くはない。ぶつけた記憶もない。簡単なやりとりののち、素人診断ながら大丈夫なやつと判明。そうかー身体に害はなくても血管がやぶれるだけのこと、あるんだ、そしてその赤たちは数日すれば吸収されるのか、身体の仕組み、すごくない、いや今は自分の見た目がすごいよ。ぎょっとするもの。でもなんか漫画で目が黒く塗りつぶされている(真ん中に白が抜いてあって、普通の漫画の目とは逆なのだ)キャラいたなー。このこと(目が赤い)表現だったのかなとか考えていた。

それで眼科はふつうの検査、視力をはかって、レンズを入れ替えられる眼鏡(あのフレーム、二十年前くらいから進化してない気がしますね)でも見て、気球を見て、眼圧をはかられる、というようなお決まりの眼科チェックをされる。こちとら目が赤いって言ってるでしょ! って思うけど、ほかに原因がないか確定させておきたいんだろう。眼球に空気を吹き付けるのって、なんなんでしょう。にやにやしてしまう。

そのあとやっと眼科医に看てもらって、わたしの目玉を確認される。ためつすがめつ看てもらえたと思う。途中で眼が痛くなってきたら、「乾いてますね」と言われて、精製水を入れておくボトルの細くて逆U字に曲がった口から液体を器用に目玉の下の方に注いでくれた。あれは精製水なんだろうか。それでけっきょく何もなくて、インターネットで調べてもらった名前(結膜下出血)といわれて、あ、と思い、診察室を出るときに看護師らしき人にもらった冊子は、(あ、参天製薬)、これまたインターネットで見たやつで、ここはインターネットかと思いながら、少し座って、呼ばれたら現実の金を払って帰った。