紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


夢からさめた夢をみた

これは夢の話だが、わたしは職場にいて、いつもの席でPCを打っていた。右斜め前の席には黒人がいて上司に仕事をまかせられていた。しかし黒人は高齢だしPCには慣れていないため、どうにも苦労していた。スマホならばまあまあ使いこなす。わたしともうひとり眼鏡の同僚は画面を後ろから覗き込んで、ああしたらいいこうしたらいいとアドヴァイスをした。入力もおぼつかなかったし、表計算のソフトの仕組みがわかっていないから目も当てられなかった。そうすると、ヘルプのふたりだけで全部をやってしまいそうになったし、この仕事をなんで黒人がやっているのかわからなかった。すると上司が「ふたりがかりで教えることなんてあるのか」と言って、わたしは思わず「時間がかかりすぎて無駄と思います」と言った。上司は黙っていたが怒っているのではないかと思え、口答えしたことにわたしはショックをうけた。諍いは嫌だなと思った。

黒人の仕事はAの表を見て、Bの表を完成させるというようなものだったから、情報はそもそも入力してあり、転記(画面上だが)の際に間違いが起こる可能性もあるし、たどたどしいタイピングでは午後になっても終わらないだろう。終わったとしても誰かが確認作業をするのだと思うとうんざりした。これはなにか工夫をすればボタンひとつでBの表が生成されるようにできると思ったが、ロボットがあらわれたために仕事を追われるような話を思い出して黙った。黒人もずっとやっていれば上手になるかもしれず、その道を絶ってしまうのは悪かったとか上司の意図を曲解して自分の中で折り合いをつけた。子どもが何人かエプロンをした女と歩いているのが窓から見えた。

仕事に効率だけを求めるならばそれはみんなでロボットになってしまえばいいのだが、そんなのは嫌だった。しかし、仕事を与えるための仕事、というものには素直に賛同できない胸中があった。はじめはだれだってはじめてなのだけれど。そしてこれは夢の話ではなかった。というところまでが夢であった。