紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


寒さと晴天

寒くて冷たくて指先から冷えてくる。寝具を冬用にしたり毛布を出したりしているけど、蒲団を出るとやっぱり寒くて。出勤で外に出てしばらくすると暖かくなってくる。動いてるからか、空気が太陽にあっためられたのか。日光は優しいが、でもそれも弱くなってきている。

事務所の窓から見える公園で、簡単な祭りをやっていた。うっすらと放送がきこえてくる。暖房のために閉めきっていたのだけど、太鼓が鳴らされると振動と音が伝わってきた。そんなに賑わっているとも思えなかったが、明るく照らされた公園はそれなりに幸せそうに見えた。厚めの窓からは外が黄色がかって見えて、音がよくきこえないのと相まって、おしゃれな映画のシーンのようだった。段々の雲が時おり青空を隠して、また流れていって光景を変えた。

同僚は「あとでちょっと行ってみない?」と言っていたが、祭りには結局行かず、仕事とか家族の愚痴を言っていた。口にする言葉はどれももっともだけど、場合によったら彼女に返ってくるようなことのような気がした。お手本のようなルサンチマン

通勤につかう道路の交通量が多くて自転車では怖い箇所があって、どうしたものかと思っていたのだけど、いつもと違う側を通ってみた。経路としてその国道を渡る必要があって、いつもは右側を走行するのだけど(自転車は左側通行です)、帰りのみ左側を、歩道を通る。

朝も帰りも同じ側ということなのだけど、慣れていないこともあってか、映像に脳が違和感を感じまくる。鏡の中の世界みたいだ。昼と夜の違いもあるのだろうけど、知ってる道が少し違う道に変わる。いつもの画面に浅く切れ目を入れて、少しひねった感じ。些細な視点の変化。いろいろ模索して落ち着いた現在の経路だけど、脳の驚きのために、少し違えていくのも面白いなぁと思った。のだった。

自転車を停めて、建物の中に入る。出てくると、しっとりと水滴がついている。よく見ると、車の屋根や窓も雨が降ったみたいになっていた。霧のようなものの中を歩くのは不思議な感じだ。夜になって急に冷えた空気が水分を持っていられなくなるのだ。浅い冬がだんだん深まっていく。