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紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


滝を見に行けない

この道を行かば、しまいは滝に着くとて、行かむとす。行くは数名にして、ひとりはちさきをのこをおぶいたり。行く道は遠かれど、三刻ほどかからむと人の言ひける。

(テキトー古文風)

 

というわけで。近隣にナイスな自転車道があり、そこをたどっていくと最後は山の方の水場に出るという。ので、出かけたのだった。

なにかとのんびりなわれわれなので、二時間弱の道程を三時間と見積もって出かけたのに五時間かかっても予定の1/3辺りにいるという恐ろしい事態に。いくらなんでもひどい。

よし、順を追っていこう。

まず、開始2分で道路わきの畑にラベンダーが咲いているのを見つけた一名が、自転車を降りて花畑へ旅だった。『北の国から』さながらの写真が、画素の荒いガラケーの画面に映っていた。

野菜の直売所があれば物色し、またしばらく行くと植物が植わっている花壇があり、そこでまた、花とハーブの世界にトリップした者が。

トイレ休憩のために寄った公園で幼児が遊具に吸い込まれていき、親ともども帰ってこなくなる。

その隙に近くのコンビニで人数分のアルコール(気を遣ってノンアルコールビールだったけど……)とおつまみを買ってくる猛者がいる。敷物をしいて寝転がり、池の亀をながめてなごむ……というようなことが重なった結果、帰ってくるはずの時間になってもまだ全体の1/3(復路も勘案すると1/6!)の地点にいる羽目になったのだった。

なったのだった、って書いてみたけど全然納得いっていない。一体そんなことあるのだろうか。時空が歪んでやしないか、あの道路。時空をゆがめたわたし達。

わたしひとりだったら、スムーズに行って、終点にある蕎麦屋で天ぷら蕎麦を食べていたに違いないのにと思うと悔しいが、ひとりで行っても意味はないような気がした。他にもスムーズにいく方法や未来を想像できたけど、けっきょく行けなかったわけだし、寄り道しまくるメンツだったということを考えながら帰宅したのだった。