紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


ロンドンの朝/かまってちゃんは守られた

ユニクロの暖パンを買った。これは二本目の暖パン。ひとつめのは三冬は前のものだから、それにくらべればぐんと改良されている。とにかく表面のシャカシャカ感が格段に減っている。それで、家では旧い暖パンを履いて、それは昨日からなので昨日は暖パン記念日なのだ。ぬくい。新しく買った方を今日は職場に履いてきていて、しかしシルエットが上下のバランスでもさっとして気に入らない。暖かさは何物にも代えられないが、気に食わない格好をしていることも生活の満足度を著しく低める。これは外国人のコスプレと頭の中で必死にとなえる。満面の笑顔ですべてをちゃらにするあのコーディネートよ。自然派スタイルよ。そして、ここはロンドン霧深い街、とか思ってみればニットの帽子もぼわぼわのアウターもすべてがいとおしい。なんてね。

その時すでに遅刻が確定していて、本当に気分が重く、いろいろ言い訳を考えてみるけれど、すべてが空々しい。自分のせいにしたくないから周囲のせいにするけどだれも悪くないのだった。しかしこの車中の人々が全員憂鬱な気分でいるのと想像してみれば、むしろ憂鬱エナジーで走る慾望の列車よ。罪深い朝の路線。

 

数日前、職場の少し偉い人から話があるとか言われて、怒られる心当たりがありすぎて、あれかなこれかないや全部かなとかずっと気が重かったのが、噂によるとどうも違う可能性が出てきて、けっきょくわたしも彼女も自分のことばっかり考えているのかなと思えた。たぶんね。怒られるのは嫌だけど、それでもわたしのことを見ていて言及してほしかったんだろう。かくしてかまってちゃんは守られた。とはいえ、本番はまだなのだから、怒られる可能性、ひとつまみ。

 

数種類の飴を買ってひとつの袋に入れておく。仕事中にひきだしをあけて食べて、だんだん減ってきたころに、ないと思っていた種類の飴に出会う。チョコレートが出たときは僥倖。小躍りしたくなる。下の方の地層はだいぶ昔のものらしく、先々月の塩飴が張り付きながら発掘される。