紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


飛行機、落ちると思っていて。

妄執的な思い込みでもって二分の一くらいの確率で落ちるような気がしているけどそんなわけはない。四分の一くらいかもしれない。そんなわけない。

そんなわけないと思いながらも旅立つ準備をしていて、とりあえず何かあったとき用リストをつくる。連絡してほしい人の名前と電話番号、今や電話で連絡をとる相手はほぼいなくて、ネットで調べるかメールの最後に書いてある番号に電話したらいいのだけれど、それでも有名でない個人を他者に教える場合、などと思いながらもつきあいの長い人々は電話番号が2つ以上登録されていて、さて新しいのはどちらなのだろう、2台持ちならば問題はないが、070と050のどちらを優先してかけてほしいのだっけこの人は、などの問題が発生し、もうわからないから全部書いたよね。わたしすら電話をかけない相手にもしかしたら電話するかもしれない同居人よ。しかも×2(かも)。通帳と印鑑は集めておいてあげるけど暗証番号は書かないとかそういうことをする。信じていないけれど、この書が有用になる世界にはわたしはおらず、そんなパラレル世界にわたしがメモの片隅にかいた変な動物の絵があって、泣いたり笑ったりされるかもしれない。ひとつのぼたんのかけ違え、歩みを少し間違えただけで世界はするりと交叉して入れ代わる。可能性の中に住んでいるが自分で選び取れるわけではない。利用不能なパラレルを想像しながら、死にたくはないが死んだらなにも怖くないのだというようなことも思う。部屋も持ち物も散らかったままだし、帰ってきたいよね。ここはひとつ。