紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


電車

朝早く下り電車に乗った次の週は上りの電車に乗った。前回は並ぶ人たちを向かいのホームから見ていた。わーちょうど電車が来るぞというタイミングで階段を走った。これから嫌になる電車に乗るのに走った。そうして電車に飛び乗ったから整列乗車はしなかった。電車は案の定まあまあ混んでいて、でもぎゅうぎゅうじゃなかった。建物と曇り空の間から少しずつ太陽が昇ってくるのが見えた。なんか正月みたいだった。この間は気づいたら空が青く晴れていて、今回は東に向かっているのだと気づいた。大きな駅で乗り換えて下り電車。始発だから座れて、でもどんどん混んできてあっという間に満員になった。乗り換えて "く" みたいな軌跡だったからさっき見えた風景がまた見えて変な感じだった。太陽はすっかり出ていてそれも遠ざかった。西へ向かっている。

どこかの駅でドアがあいたときに、小学生くらいの子どもがやってきて、「この電車は◯◯の駅に行きますか?」と訊いた。みんな少し驚き、代表して男性が「××で乗り換えれば行けます」と答え、少年は去っていった。制服を着ていた。その頃には車内は人びとが立ったまま詰め込まれていたから安堵した。


電車に乗るとみんなを見渡してなにをしているか見てしまう。スマホ、睡眠が多く、まれに読書。スマホより本の方がいいとか言うつもりもなくて、今やスマホで読書もできるし、なにかに集中するという点ではどちらも同じだと感じる。移動中は風景を見ていたい気がする。