紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


好きなアイス

買うものリストをアプリで共有している中に「好きなアイス」があって、アイスならなんでもいいよ。銘柄指定はありません。ほかのやつ、「ビール」も各種調味料も買う人がよさそうなのを買うんだけど、アイスにだけ「好きな」がついてる。出てくるとなんだか笑ってしまう。

 

8月も半分どうにか過ぎて、夏の終わりがそろそろ見えてきたんじゃない? って誰かに語りかけてる風に思ってみたりする。足もとで鳴いているのは秋の虫って気がする。ウウ、今年もどうにか生きのびれそう。ぽつぽつと皮膚がたたかれて、雨の降りはじめだった。少し寒くてクシャミが出る。信号が青になって横断歩道を渡り、小川沿いに少し歩く。川の表面は明かりを反射していくつもに見え、雨が本降りになったのかと思った。しかしそれは流れで川そのものだった。春ではないがさらさら行くよ。

夜の環状線を車の助手席でつぶった瞼を透かす規則正しいオレンジの眠たげな生暖かさを思い出すが夜なんて全部そんなものかもしれない。お盆だからか車も少ない。道の反対側には外車のディーラーがまぶしいが、きっとお盆休みだったろう。

亡くなった人はお盆にやって来て帰るというけど、われわれだって束の間羽を休めたら、人じゃなくなるみたいな労働に向かうんじゃないかと思ったりして救いがない。生きてるものは誰もいない。