紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


ホワイトチョコのラングドシャ

行きつけないところにバスで行って帰りは電車で帰る。接続とはいうものの5分くらいは夜道を歩く別の駅に乗り換える。この蒸し暑い道を以前も歩いたこと、急によみがえる。集まりのあとにめちゃめちゃにお酒をのんで(お金は年かさの人が払うくらいわたしたちはまだ若かった)、わたしとYとSはウフフフとなったまま夜へ放り出された。実家に住んでたAは早々に帰ったんだったか。わたしたち3人は気楽な一人暮らしだったから、一番近いYの家に行くことになった。年かさの人も酔って、交通費の足しにしろと言って1,000円札をくれた。それで知らない駅で降りてYの導きでくだんの乗り換えルートを歩いた。途中にコンビニがあって、もらったお金は瓶入りのアルコール3本とわたしが世界一うまいお菓子と言いはってホワイトチョコのラングドシャに化けた。そのセブンイレブン(だと思う)は未だにあってちょっと感動的だった。どの道を歩いたかは記憶になくて、夜中にいい気持ちで友人たちといたという夢だけが歩くわたしに重なった。もっともわたしは飲酒もしてなかったし、乗り継いで家に帰るだけだったのだけど。あの頃の友人とは今では誰とも連絡をとっていない。どうしているかと思うだけだ。しかし本当に湿気!  夜の10時だというのに泳いでいるかのような温度と湿度におされて、あれも夏だった気がしてきたけど、でもたしか、Yの家で炬燵に足を突っ込んで寝た気がするから冬だったんだと思う。ホワイトチョコのラングドシャ、冬っぽいし。 翌朝はもぞもぞ起きてYは午後から授業と言ってたかSも授業があったんだかあやふやだけど、また見知らぬ電車に乗って知ってる駅に着いて帰ってきてしまった。あの夜は戻らないこと、しかし十年以上経っても覚えているべき夜になるとか(ならないとか)わからないものだね。ようやく着いた駅は電車が行ってしまったばかりで20分も待った。バスで帰った方がよかったのでは、ちらと思って自販機で炭酸飲料を買った。ホームや椅子の窪みにはなぜか水たまりができていた。