ひじきがこげた
ひじきがこげた
少し目をはなしたすきに
熱い鍋の底で助けてくれと言っていた ひじき
あの夏の日みたいにじりじりじりじり
ひじきはこげた
ふちゅういとたいまん
水っ気がなくなるまで必死で踊っていた ひじき
海にいたときみたいにふらふらふらふら
炭になったひじき いつもと変わらないかたちで
でも 固くてこげたすっぱい味がした
ああ、ひじき なんでこげちゃったんだろう
父ちゃんと母ちゃんが泣いてるよ
ああ、ひじき なんでこがしちゃったんだろう
新しい鍋を買わなくっちゃ