紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


夢の温度

起きしなのまだまだ眠りの中に手をつっこんで自分をひらいていく作業は夢とうつつの明け方と薄暮の(いえ実際はまあまあ朝なのだけど)境にあってそんなことをしているうちに自分を太陽の方へ生きている者の方に連れてきてしまうのがうらめしい。それでも身体は生物として周期をたどっているだけなのであった。その確認作業のうちに夢は毎朝見ているということだけが確信されて、夢の一瞬とぎれた闇色の空白にわたしは手を伸ばす。都合上メモに夢のことを書けるのだけど、数分前のことすらあやふやで、そのうちそれは「夢を見た」だけのメモになってしまった。ささやかな断片とまつわる感情をどうにか思い出してみたところでそれは不条理で夢の文法であるとしか言いようがない。