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紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


魔法使いはやさしい

日々なにかしら書いていきたいという気持ちとしかし歴史しか記述されえないという大局的な気持ちがまざりあう

 

①アリの村の村長はアリで、ゾウの村の村長はゾウであればよい。われわれイヌの首長にはなにがのぞましいか。グレート・デン、ボーダー・コリー、チワワではこころもとないか。いっそ、サルにでも手綱をにぎってもらってもいいのではないか。

 

②すごい雨だ。稲妻が光る。雷が鳴る。そういったものは現代ではもはや「台本」みたいなものではないか。確認のための舞台装置でしかなくて、わたしたちは安全で傷つかないところで夢を見ている可能性はないか。

 

③一定の人数まででであれば、(差はあれ)個人の力量で御せそうだった。たとえば市や県や国みたいなレヴェルで人をあつかおうと思えば、それはなんらかの手法を借りなければならないだろう。たとえば魔法みたいな。

 

④人数によって成員の凝集性は変わってくる。大集団は小集団の単純な拡大ではない。想像のつかない力動がわれわれをとりかこむ。大人数がかかる魔法と少人数にかかる魔法は異なるだろう。

 

⑤魔法にかかりたい人間とそうでない人間がいる。そうでない人間も場合によってはかかりたい人間になりうる。逆も。

 

おおぜいが乗った飛行機を飛ばそうと魔法使いは大きく力をこめて手をふった。百人だったらひとりの百倍、ではなくて、百の百倍くらいの魔法が必要だ。かれは手を抜かなかった。大きな声を出した。プロペラは少しずつ回りだしていた。それを手助けする人もただ乗ってみているだけの人もいた。

 

⑥人数がある一定を超えると、先導者はいやでも嘘をつくことになる。かれが望むと望まざるとにかかわらず。それを信じるか信じないか、信じているふりをするか。選択は自由だが、そのすべての人を乗せて飛行機は(魔法は)飛び立つ(成就する)。もちろんうまくいかないことも多くある。