紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


もういいじゃんつって餅をつく

この日の日記を書きよどんでいる。そのうちに記憶はうしなわれていくが、未来から書き足している部分もあると思う。そうさせたくないのだけど、やっぱりインターネットに日記を書こうなんて阿呆な考えなのであった。片がついていないことは上手く書けないのであった。
そうだ、ともかくわたしは慰留されて、えらい人たちの中で一番若い男だ。わたしよりいくつか歳下で、中途入社でまだ少ししか働いていない。体格だけは立派だからわたしより老けて見えるかもしれない。もっと上のひとたちみたいな脂くささはないが、少年みたいなぴかぴかの頬をしていた。時間のある日は固めた髪の毛がギラギラし、時間のない日はふわふわでさらさらのナチュラルヘアーだ。そういう時は、「朝シャンですか?」と聞くことにしている。
けっきょく、何を言いたいのかわからなかった。わかろうとしなかっただけであるが。相手も何を言いたいのかわからなかったのかもしれない。わたしは、もういいじゃないですか、と言い続けた。なにかうまい言い訳を考えておけばよかったのだろうけどそうしなかった。
家に帰って会談を反芻して(二時間以上喋っていたのだった)、何も進まなかったと確認した。なにもできなくて御免とは思った。やっぱりわたしはここにいなくて、なんの責任も持つつもりがないのであった。御免ね。