紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


シドと白昼夢

これですね。

 

F氏の短歌の九月分がアップされ、わたしは読もうと思ったけれど、なんだかいけないという感じがして、読み込みを中止した。それでそのことをtweetしたところ、いまださんが返信をくれたのだった(よく考えればそんなことをつぶやく必要はないのだけれど、そうしてしまったのは甘えもあるかもしれない)。ともかく、いまださんは「炸裂」と教えてくれて、わたしはやはりと思ったので「やはり!」と返信した。

それで、わたしはF氏の短歌は「やばい」から「こわい」と思って、「怖い」ではないのだけれど、いまださんもその意味を察したから返信をくれたのだと思うのだけど、F氏にはあんまり意味が伝わっていないようだった。そのときの思考や感情を書こうかなとも思ったのだけど、わたしがするまでもなく言語化が上手な人たちが何人かいたようなので、それでいいかと思ったりもした。F氏の短歌がやばいというのは見なくても想像がついたので、わたしがこわかったのは、突き詰めると、影響されてしまうのでは、ということだった。のか。

 

fktack.hatenablog.jp

 

それで、わたしははっきりと返事はせず、適当な笑い声を返したのであった。

 

 

エントリにも書いてあるけれど、わたしはF氏に悪い印象は持っていないので、好きにしてくださいというつもりでこんな返事をしたのだった。他にも笑い声を返してしまった人がいるのだけど、それはもう、わたしなりの最上の好意のあらわれで、かわいい犬がひっくり返ってお腹を見せているようなものなのです(わんわん!)。椎名林檎の歌詞でいうならば「あなたにはすべて許しちゃうわ」なのです(しかし、こういう感受性のあり方は危険なことも多いので、おいそれと人に腹をみせないようにしているつもりです)。

 

そんなことを考えながら、わははーと実際に口に出していたら同居人ことヒナ氏が「ドイツ人かー!」って。つって。言ってきたので、それで、少し前のことだけど、オクトーバーフェストに行ったことを思い出し、それはドイツ発祥のビールを飲む祭りであって、電車を乗り継いでついた会場には、わいわい酒を飲む人々、外国人のバンドが楽しい音楽を鳴らしながら、酔人たちを言葉巧みに長い列にして、踊らされているさまであり、お酒のみフェスでもないと羽目を外せないのかと少し陰鬱な気持ちになったこと、しかしいつもは飲まない量のビールを飲み、ムール貝が美味しく、そんなことは本当にどうでもよくなってしまったのだった。二杯飲んだところで満足し、帰宅するまでの、はっきりとした、しかしビールの海底を歩いているような世界をおぼえている。ヒナ氏はふにゃふにゃしていた。夢心地が現実まで延伸する、あ、白昼夢。