紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


トゥーララ

 

soulkitchen.hatenablog.com

 

すごくいいタイミングで植物園に行けることになった。いいタイミングというのは季節のことだ。(毎年のことだけど)桜花の狂騒に浮かれ、つかれ、少し落ち着いたくらいの春に。最近は好天が続いて日焼けするくらいの日光に空の色も緑の色も格段にあざやかに見える。明るさに馴れた目には陰の色も変わってうつる。冬の終わりに浮き立ち、つま先立ちでいるような陽気、確実に夏がぐいぐいやってきているのはちょっと待ってと鼻先を押しやって。花々がほどけてしゃべりだす。のを存分に楽しむ。

何度みてもおぼえられないのは、花のなまえと星座のかたち。それでもその日だけは今日だけは。がんばって付け焼刃の知識でもって、植物たちを指さしていくけれど、それでも名称なんかでくくれないくらいに、どれも少しずつちがうようで、全員と顔を合わせなければいけない。

蜂のような虫が低い音をたてて飛んでいる。ピンク色の花弁から出てきたときにはからだに黄色いかたまりをつけている。噫。生命のいとなみをわたしが覗き込んでいるその眼前で臆面もなく見せつける。わたしが見ていなくても、植物および虫たちはその過程を繰り返し繰り返し、また明日、また来年、また、また。おのれのできることしかしていない、その歩みに、愚直さに、いっとう濃い春の空気がにじんでいて、わたしは踊りだしたくなったよ。トゥーララ。

園内の園芸店めいたところで、鉢植えや種や苗などなどを売っていて、オヤとひやかしに見てみれば、お得ですよの苗が3つで500円。実際お安いのかはよくわからないけれども、いやでもお安いんじゃないのかな。まがりなりにも立派な植物園の売店であるしと思い、ゴーヤとシソの苗を買った。ゴーヤは一年ぶり四度目(たぶん)。シソは昨年種からやってひとつも目が出ず惨敗のリベンジ。それらがベランダーのプランターに仲間入り。先輩パクチーと芽生えまくりのニカンドラたちとともに、光合成をしまくっていく所存でございます。