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紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


メタファとしてのコナンくん

知人の家に行って。ちょうどそこの子がいたのでいっしょに遊んだりした。

Wiiをやろうと言われたときにまずかれの言ってることが全然わからなかった。いちおうきこえるんだけど、脳みそが追いつかない。「Wiiヤロウマリオブラザーズスマブラガアルケドドッチガイイ? マリオヤッタコトアル? ノコノコハ赤イノト緑ノガイテフンダラタオセルンダケドコウラヲウマクモツノガムズカシクテ」みたいな、たぶんこんなこと言ってて、思い出しながら文章を処理することはできるんだけど、即座に何言っているのかわからなくてちょっと待っててくれと思った。ノコノコって亀のキャラクター(敵)だったと思うんだけど、その知識はあるんだけど、いつもキノコのキャラが頭に浮かぶんだよね。ノコってキノコのノコでしょう?!?!? みたいな。

ノコについては個人の問題だけど、わたしも子どものころにおとなと話していて、そのわかっていない様子に、「このおとなはぼんやりした人間だ」とか思ってたのを思い出して、そのときわたしの頭上に出ていた客観的な視線が(比喩ね)、そのまま立場の変わったここにもあらわれて、逆にかれの頭上からわたしを見つめている気がした。違う、そうじゃないんだとあせる。ちょっと話をきいてくれと思う。たいした弁解もないのだけど。

そして、発話のスピードか(早すぎる)もしくは、音の高さ(周波数)が年代で異なるんじゃないかと予想した。いつも合ってる人だったらなんかわかるもの。子どもの方が高い声を処理しやすいんじゃないだろうか。子どもをもつ女の人が聴力において能力が飛躍的に上昇するみたいな話もあるような気がして、関係あるのでないですか。とか思ったけど。知識的に処理はするけど、そうはいっても現実は何言ってるかわからないので単純なコミュニケーション上の問題が。厳然としてあるだけ。ディスコミュニケーションがそこには。

その後、『妖怪ウォッチ』の妖怪の名前当てゲームという悪夢のような時間をすごし(楽しかったヨ!)、ベネッセのタブレット端末(勉強用)に必死にむかうかれの背中をながめた。タブレットについてはものすごい集中力を発揮して、テレビでもゲームでも画面からの刺激は強烈なのだろうなと考えた。その端末はたいへんよくできていて、算数の問題なんかはまあ想像できる範囲だが、漢字の書き取りも端末上でできるようになっていて、記入用の四角からはみだすと注意され、形がちがうと怒られ、画数も書き順もしっかりチェックされるのだ。書き終わった後に、正しい書き順と実際に書いた順をなぞってならべて見せてくれる。高機能すぎる。テクノロジーが家庭のテーブルの上で再現される。未来来たなって感じだった。

事細かに注意してくれるので、後ろからみているわたしが言うことはない。口出しできないのはちょっとさみしいし、これで枠にはまる子が量産されるのではとか思ってしまった。やっぱり紙に書いた方が良いよなと思うわたしはアナログ人間で、しかし基本的に宿題をやらなかったわたしなのでなにも言う資格はないのであった(でも言いたい)。

かれはずいぶん優秀で、先日の風船小僧と同じ学年と思うとずっとおとなびていた。はじめてかれに会ったときは、子どもの身体に成長の早いおとなのアタマが入っているような感じがしてつらかった。つらいったって、だとしたら本人が一番ツライし、そのことを気にしてないなら余計なお世話ってことになるのだけど。でも今はちょっと落ち着いているような感じがした。自分の要求を出せたり、集中できたり。家の中だったからかもしれないけれど。

頭脳が成熟していて、でもそれが子どもの身体に入っていたら、思うとおりに動けなくてもどかしさがあるんじゃないかなと言ったら想像力がゆたかすぎるだろうか。コナンくんとか、本当はめっちゃつらいんじゃないかな。大丈夫かな。


MDSE1018 / lagerex

話はそれるけど、コナンくんのもともとの工藤新一さんは天才高校生ってことだけど、正しい天才高校生だったら数学オリンピックとか大学飛び級とか海外進出とかするのじゃないかなと思う。でも探偵(もどき)をやっているのは、やっぱり推理オタクだからなのかなと思ったりしたのでした。コナンくん全然くわしくないけどね。とゆう妄想でした。

(以下、追記)

そう、あの日。わたしがあの日にかれがベネッセの端末に向かっているときに、部屋がとても冷えていて、エアコンが入っていたけれど暖かさは感じられず、ただ音だけがうるさくて、ソファの上に敷かれた電気毛布が暖かく、わたしは大事に大事に尻をあたためていたということと(暖かい便座の心強さを思っていた)、部屋の隅には大きなプラスチックのケースがあって、中にはペットの鳥がいたということを書き落としていたのだった。追記しようと思っては忘れた。

鳥の頬はオレンジがかったピンクで、おかげでとてもかわいらしく見えた。人懐こくて人間のいる方に近づいてきて、鳥笛みたいな音をさせていた。それが、わたしたちが部屋の真ん中でベネッセと尻あたためをしていると、飽きたように顔を斜めにして胸にもたせかけて目をとじていて、眠ったんだと思った。さっきまで忙しく動いていた鳥がおとなしくなり、わたしが寒さからソファから動かなかったこと、ときどき少年の背中が動き、部屋にはエアコンの高い音とベネッセのしゃべる「よくできたね!」という声。時間の底にいるみたいだった。

あと、マリオはできなすぎて逆におもしろくなってずっと笑っていた。かれも特別上手ではなくて、ふたりで何人ものマリオとルイージを失ったのだった。