紙とくまの生活。
忘れるために書く日記。


『6才のボクが大人になるまで。』

大みそかに唐突に映画の話する。

映画を観るときは基本的に情報はいれない。前評判で適当に決める。この映画のために仕入れた情報は「6才の少年が18才になるまでを描く」というもの。タイトルそのまんま。ほぼ何もわからないで行く。


映画『6才のボクが、大人になるまで。』 大ヒット上映中

 

感想はあらためて書くかもしれない。書かないかもしれない。筋は「6才の少年が18才になるまで」でしかない。あらすじはあるけど、あんまり意味をなさない。撮影は12年間かけて、同じ俳優が演じている。ちょっと陰鬱な顔の少年が大人になる、文字通り顔かたちがスルスル成長していくのがすごく面白かった(ほかのキャストもするする老いる)。手法ゆえかストーリーの盛り上がりはないのだけれど、自然な感じの役者、シーン、光などが素晴らしかった。

2時間半超と長いけれど、この話がなにかにつながるのか?(つながらない)、伏線なのか?(伏線じゃない)、みたいな感じで観れた。わたしは観られた。物語のセオリーがないので、先が気になる。ただ、起伏のない冗長な場面が続くともいえるので、人によっては苦痛でしかないと思う。観た方が意味づけをしていく映画。子どもが見てもあまり楽しめないかも。「成長する」ということだけは、わかりやすいけど。

同居人を誘っていて、「面白くないかな?」と隣で観ていて不安に思ったけど、まあまあ楽しかったと言ってよかったらしい。趣味じゃない映画(しかも冗長)を3時間近く観させられるのはたまったもんじゃないだろうから。

映画のチョイスはだいたいわたしがするので、観はじめはいつもちょっと緊張する。でも意外となにかしら見つけてくれるので、わたしが思っているより懐が深いのだろう。それか、わたしの映画チョイスがSUGEEEEのかのどちらかだ。

 

監督は、コルトレーンが経験した事を作品に投影したいと考え、(中略)作品の中で実際に採用。しかし、監督はエラーがまだ経験していないことを取り入れないように、彼の実生活について毎年家族に確認していた。「彼がまだ経験していないことを無理強いさせるようなことは絶対にしたくなかった。この作品が彼の人生にとってプラスに働くものであり、毎年かかわることが楽しいと思えるものであってほしいと願っていたんだ。」

 

映画『6才のボクが、大人になるまで。』で、12年間同じ役を演じ続けたエラー・コルトレーンってどんなひと? « TimeWarp – 海外エンタメ専門サイト - (略部分、引用者) 

 

 

この記事見つけたけど、えーじゃあ、映画の中のことって全部コルトレーンくんが体験したことなの?! ってなるけどどうなんだろう。親の離婚も再婚もDVもゴルフも猟銃も飲酒も喫煙もクスリもセックスも写真も全部全部ー!?!??!?! ってなる。役者と役を混同するなんて無意味でしかないのだけど、そう言われると、ゲスな興味が出てしまう。あとなんか、これだけ内容書いたけど、ネタバレになってる気がしない。要素を並べたところでそれ以上でもそれ以下でもないのだ。

手法としては不完全なんだけど、そこは全然ゆるせる。というか、このやり方で完全だったら怖い。俳優の人生どうなっちゃうのって感じになってしまう。

観終わったあと、パンケーキをむしゃむしゃした。

わたしは前述のとおり、顔が変わる(成長する)のが一番面白かったのだけど。そして、わたしたちのこれから12年間を撮られるとしたら? という話をした。しかし姿は変わらないだろうし(老けてはいくけど、「18歳になる」より好感度のある画にはならないだろうね)、これから初恋とかないんでね……! 子どもが大人になる過程ってpreciousでしかないんだなーと思った。なんなら、18歳からもまだ成長するし、輝くからね。失った時を思うという意味では残酷な作品だ。

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これはホントそう。

そんでも、「うまいうまい」とパンケーキを食べるわたしたちの瞬間も、わたしにとっては負けないくらいpreciousなんだよなと感じたことです。